みなさんこんにちは!ずっちです。
妊娠が発覚したら、早めに開始したいのが「産院選び」です。
出産はまだまだ数か月先だから慌てる必要はないのでは??
と思っているそこのあなた!!甘いです!!
産院では分娩の予約は随時受け付けており、人気の産院はすぐに予約が埋まってしまいます。
遅くとも出産予定日の4か月前には産院は決定しておくことが良く、早いに越したことはありません。
また、多くの場合、妊婦健診は出産する予定の病院で受診することがほとんどです。
そのため、妊婦健診が開始する妊娠初期の間に、これからお世話になる病院の目途を立てておくことが重要なのです。
私たちは妊婦健診が始まった妊娠12週の段階で一通り産院を調べ終えていたので、余裕をもって、分娩の予約ができました。
しかし、あなたとあなたのパートナーにとって初めての妊娠・出産の経験です。
「いったいどういうところに気を付けて、産院選べばいいの??」という人も多いのではないでしょうか。
今回の記事では「産院の選び方 パート1」と題して、私、ずっちがどのような点を特に気を付けて産院を調べて選んだか、そして、実際に妊娠・出産を通して、どのような点が重要だったかを共有したいと思います。
- ずっちが産院を選ぶ際に大切にしたポイントは何かを解説。
- 体験談と統計データをもとに紹介。
それでは一緒に、男性が主体的にかかわる妊娠・出産を目指していきましょう。
産院は命を守る場所。出産は何が起こるかわからない!
このブログでは他の記事で何度も書いていますが、妊娠・出産はとても幸せなことである一方、お母さんや赤ちゃんに対して、常にリスクがある状態であることは忘れてはいけません。
私、ずっちが産院を選ぶ上で一番大切にしたのは「産院が妻と赤ちゃんの命を守ってくれる信頼できる場所か」ということです。
これからお母さんと赤ちゃんが出産を通して亡くなった件数に関する統計データを紹介します。
これはリスクを知ってもらうことで、夫である皆さんに真剣に産院を選ぶことに向き合っていただきたいという思いからです。
赤ちゃんの死亡リスク
周産期死亡の統計を見る。
周産期死亡数と周産期死亡率というのを紹介したいと思います。
妊娠22週以降の赤ちゃんはたとえ早く生まれてしまっても、「早産」として取り扱われ、治療を受けることができることになっています。
周産期死亡数・死亡率というのは、その治療を受ける権利を持つ赤ちゃんがどれだけ死んでしまったかという統計データです。
厚生労働省が出している最新のデータ(2020年、2019年)は次の通りとなっています。
年度 | 周産期死亡数 | 周産期死亡率 (対1000) |
2019 | 2955 | 3.4 |
2020 | 2674 | 3.2 |
出典:厚生労働省 令和2年(2020)人口動態統計月報年計
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/geppo/nengai20/dl/kekka.pdf
約3時間に一人、胎児または産まれたばかりの新生児が亡くなっています。
周産期死亡の統計を見ると、年間約3000人弱(1000回の出産に対して3人)の赤ちゃんが産まれる前、または産まれてすぐに亡くなっています。
頻度としては3時間に1人亡くなっている計算になります。
皆さんはこのデータをどのように感じますか??
3時間に1人赤ちゃんが亡くなっていると聞くとかなりドキッとするのではないでしょうか。
母体の死亡リスク
妊産婦死亡の統計を見る。
次に妊娠・出産に伴う妊産婦の死亡に関する統計を見ていきたいと思います。
日本産婦人科医会が2010年から毎年実施している妊産婦死亡報告事業によると、2010年~2019年まで毎年約40~50件の妊産婦の死亡が報告されています。
出典:日本産婦人科医会 妊産婦死亡報告事業 2019
(https://www.jaog.or.jp/wp/wp-content/uploads/2020/11/e147d306dd675338de60013905478f3f.pdf)
産科危機的出血はは300人に1人の高頻度で発生します。
お母さんの死亡は、先ほど紹介した赤ちゃんの死亡件数と比較するとかなり小さいのがわかります。
しかし、死亡原因の第1位(約20%)となっている「産科危機的出血」の発生頻度を見ると、決して安心できません。
「300人に1人は出産を通じて、命の危機に陥る。」
是非このことを知っておいてください。
妊産婦の死亡数が少ないことからわかるように、分娩時に大量出血があっても、しっかりとした医療にアクセス出来れば、多くの場合その命は助かるようです。
しかしどの医療にアクセスするかは、夫婦で良く考えて決める必要があるのです。
母子の命を守ってくれる病院はどこ?確認すべき項目は?
産院が「母子の命を守る場所」ということはよくわかりました。
でも実際どういう点確認すればいいのでしょうか。
「これさえクリアしていれば、大丈夫」というものはないと思いますが、私が実際に妻の出産を通じて、産院選びの際に最低限確認しておいたほうがいいと感じた4つの項目について、紹介したいと思います!
- お医者さんの勤務体制
- 帝王切開の実施実績
- 自宅からのアクセスの良さ
- 周産期母子医療センター(高次施設)との連携体制
それではひとつずつ紹介していきます!
ポイント①お医者さんの勤務体制は要確認!
まず確認いただきたいのは、お医者さんたちがどのような勤務体制で働いているかです。
出産は本当に前ぶれもなく、やってきます。
予定日よりもだいぶ前に、早朝・深夜に、急に破水・陣痛がくることだってあります。
また同じ日に別の方も同時に産気づくかもしれません。
そんな時、お医者さん1人で全部対処するのは大変だと思います。(もちろん、なんでも1人でできてしまうスーパーマンのようなお医者さんもいるのだとは思いますが。)
何より母子の命を預けている身としては、やっぱり何かあったときのためにお医者さんには、自分の妻と赤ちゃんに集中してもらいたいと思うのではないでしょうか。
そして何か緊急事態があったときには、お医者さんはひとりより二人、二人より三人いたほうが安心です。
そう考えると常にリスクが伴う出産を行う産院は、お医者さんが常に(24時間)複数人いる病院がいいと私は考えます。
また他の項目にも関係してきますが、帝王切開や無痛分娩の処置を行う場合には、産婦人科医の他に麻酔科医が必要です。
そのため、お医者さんは産婦人科医だけではなく、麻酔科医の勤務状況を確認するのがいいでしょう。
なお、病院によっては産婦人科医が麻酔科医を兼ねて、一人で実施する場合があります。
- お医者さんは24時間、複数人で対応している病院を探そう。
- 産婦人科医だけでなく、麻酔科医の勤務状況も確認しよう。
- 確認は多くの場合病院のホームページから可能。掲載されていなければ電話や受診した時に聞いてみましょう。
妻は20代で、妊婦健診の際に何も異常がなかった「低リスク妊娠」でしたが、実際の出産では分娩室に7時間以上いるような難産で、最終的には手術室での「吸引分娩」となりました。
手術室ではお医者さん3人による手厚い医療を施していただき、無事息子が産まれたのは、本当にありがたく、とても頼もしかったです。
医療体制が手厚くて本当に良かったと思った瞬間でした。
なお、これはお医者さんが1人しかいない個人クリニックや助産師が運営する助産所(医療行為はできない)での出産を否定するものではありません。
しかし、その選択する場合には、パートナーの分娩が十分低リスクの妊娠であることやその産院が取り扱っている分娩数が病院の規模とあっていること、これから紹介するポイントなどをしっかりと確認することが重要だと思います。
ポイント② 帝王切開などの医療行為の実績についても確認しよう。
お医者さんの勤務体制の次に確認していただきたいのが、産院での帝王切開の実績です。
日本産婦人科医会が2017年に実施した調査によると、帝王切開の割合は全体の約20%となっています。
https://www.jaog.or.jp/wp/wp-content/uploads/2017/12/20171213_2.pdf
しかも、そのうち半分近くが「緊急帝王切開」となっており、10人に1人程度が予定外に帝王切開になっていることがわかります。
これを知れば、もう「帝王切開」は他人事ではないはずです。
緊急帝王切開が必要となった際に、「別の病院に移動します。」となったら、私であれば、心配で仕方ないと思います。
なのでリスクの低い帝王切開であれば、24時間いつでもしっかりできる産院かどうか確認することはとても大切です。
- 24時間、帝王切開が可能であること
- 病院のホームページに帝王切開等の施術実績が掲載されていること
先ほども申し上げた通り、我が家は難産だったため、常にお医者さんがどのように対応するか検討してくださいました。最終的には「吸引分娩」でしたが、もしかしたら「緊急帝王切開」になる可能性もあったのではないか、と今では思います。
私たちが選んだ産院はホームページで24時間帝王切開が可能であること、そして毎年の施術実績が掲載されていたので、信頼できると判断しました。
ポイント③ アクセスの重要性
次は産院は家の近くに越したことはないという話です。
妊娠期間中はいつでも母子の状態が悪化し、危険な状況になる可能性があります。
日本産婦人科医会の妊産婦死亡報告事業2019によると、お母さんが死亡したケースで最初に症状が出るのは、約40%が自宅を含む病院外との報告があります。
出典: 日本産婦人科医会の妊産婦死亡報告事業2019
https://www.jaog.or.jp/wp/wp-content/uploads/2020/11/e147d306dd675338de60013905478f3f.pdf
もしも自宅でパートナーの体調が悪くなったら、すぐに病院で診てもらいたいですよね。
また妊娠期間中は切迫流産・切迫早産の状況になる場合があります。
上の症状が出た場合には、赤ちゃんが危険な状態の可能性があるので、妊婦健診を受けている病院ですぐに診察を受けましょう。
そんな時も妊婦健診を受けている病院が自宅の近くだったら、母子に負担を書けずに受診できますよね。
私たちは徒歩25分、車で10分の病院でした。
妻は夜の11時に破水したのですが、近かったおかげで30分後には受診して、入院することができました。いざという時にすぐに診てもらえるのは安心感がありました。
また、通常の妊婦健診は2人で歩いて、病院まで毎回散歩しながら通いました。妊娠中は運動不足になりやすいので、歩ける距離というのもおすすめです!!!
- 病院は近いに越したことはない。
- 車、タクシーで気軽に行ける距離がいい。
- 歩ける距離だと、徒歩での通院が適度な運動に。
ポイント④ 周産期母子医療センターとの連携も確認しよう。
最後のポイントは周産期母子医療センターとの連携についてです。
出典:厚生労働省 周産期医療 体制図
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10800000-Iseikyoku/3_3.pdf
周産期母子医療センターは比較的リスクの高い妊娠・出産を受け入れてくれる貴重な病院です。
高リスク妊娠の方(持病がある、胎盤トラブル、多胎児等)は最初からこれらの高次医療機関で健診を受診したり、出産を計画することが好ましい場合ももあります。(この点についてはお医者さんとご相談ください。)
一方低リスク妊娠の方であっても、万が一の場合には、周産期母子医療センターに救急搬送されたり、出産だけは妊婦健診を受診していた病院ではなく、周産期母子医療センターでおこなうということもあります。
妊娠が発覚した際には、万が一のことを想定して、準備することが重要です。
是非次のことを確かめてみてください。
- ご自宅から一番近い周産期母子医療センターはどこか。
- 希望している産院では、万が一の時にどのように周産期母子医療センターと連携することになっているのか?
なお、各都道府県の周産期母子医療センターは厚生労働省がまとめているので、そちらを確認するのがおすすめです!
【厚生労働省 周産期母子医療センター一覧】
https://www.mhlw.go.jp/content/10800000/000766068.pdf
私たちの産院では、いくつかの周産期医療センターと連携し、実際にお医者さんも周産期医療センターから日替わりで来ていました。
お世話になることはありませんでしたが、いざという時のネットワークは安心感があります。
まとめ
産院の情報収集も立派なパパのできること
この記事では「母子の命を守る場所」として、産院を選ぶ際に私ずっちが重点的に調べたポイントについて紹介しました。
どれも産院のホームページを調べたり、電話で聞いたりすることで確認できる(できなかったら逆にちょっと不安な)ことですので、ためらわずに調べてみることをお勧めします。
何度も言いますが、パパとなる皆さんにとって、産院は大切なパートナーと産まれてくる赤ちゃんの命を託す場所です。
是非、産院選びはパートナー任せにせず、夫であるあなたが積極的に調べ、比較することをお勧めします。
妊娠初期はただでさえ、つわりでパートナーは大変な時期。
夫婦で納得できる産院を見つけられるよう、パパ自身で調べてみてくださいね!!
次の記事では、「産院の選び方 パート2」として、出産費用について、皆さんに紹介したいと思います!
ずっち